身体全体のバランスを考えた、正しい咬み合わせを目指して
当医院では、透明なマウスピースやワイヤーを使用した矯正治療を行っておりますが、
咬み合わせに重点を置いた治療を行っています。
「咬み合わせ」は、今現在、体が慣れてしまった状態が正しい位置とは限りません。
咬み合わせは、お口の中と身体の外側からの要因で影響を受けてしまいます。
そこで、当院では、体のバランスを計測し、より正しい姿勢で正しい位置に体全体を導くように
『歯科用立ち姿勢判別システム』を導入しています。
身体の左右・上下各部位のずれ度合を数値化(見える化)し、
治療中に身体のゆがみがどう変化していくのか測定値の履歴を管理して
バランスを意識した治療を行っています。
忍耐強く、根気よく続けることで「正しい咬み合わせ」へ導きます
咬み合わせの不具合は長時間かかって、滞在していた身体のひずみが何らかのきっかけで発症したものです。「咬み合わせの治療」は非常に繊細で、一進一退を繰り返す根気のいる治療です。時間をかけて安定していく治療ですので、患者さまのご理解とご協力が何より大切です。
ご関心のある患者さまには、院長からご説明を受けることができますので、お気軽にお申し付けください。
咬み合わせ治療に臨まれる患者さまへ
当医院では「咬み合わせ」は頭と身体を繋ぐ要(かなめ)で、全身の体のバランスの一つと考えています。従って「咬み合わせの不具合」はお口の中だけを触っていても全てが治るわけではありません。骨や歯(硬組織といいます)は加齢や生活習慣によってすり減り、形を崩していきます。全身で言えば、腰が曲がり、そのために神経を圧迫して手足に痺れが出たりするのと同じと考えています。一方、筋肉(軟組織)はゴムのようなもので緊張すると収縮しますが、リラックスする元に戻り本来の長さをあまり変えません。「咬み合わせの不具合や顎関節症は、加齢や良くない生活習慣による全身の硬組織と軟組織のバランスの崩れの表現があごや口腔に発症したもの」と考えています。また、治療の過程の中で「リモデリング」と言って、少しの咬み合わせを良くすると、こわばって短く収縮していた筋肉が楽になり、リラックスして元の長さに近くなります。そうすると骨が元に戻る時間の方が遅いので、咬んでいたところがすいて、実際は良くなっているのにまた咬み具合を悪く感じることも起こります。そのような一進一退を繰り返して良くなっていくのです。この実際は良くなっているのに、症状は悪く感じる時期がある事をご理解いただかないと「咬み合わせの治療」には手が付けられません。上記のように、咬み合わせの不具合は長時間かかって、滞在していた身体のひずみが何らかのきっかけで発症したものですから「咬み合わせの治療」は非常に繊細で、一進一退を繰り返し、お互いに根気のいる、長期かかって安定していく治療です。従って、患者さまのご理解とご協力が必要です。
確認事項
<検査について>
1.各種検査をうけられることをおすすめします。写真・レントゲン各種・CT・MRI・歯型・咬合接解面積検査・下顎運動検査・重心動揺計、唾液検査など
<生活習慣について>
2.生活習慣(態癖)に気を付けてください。
3.注意事項として説明いたしますが、口唇・舌・頬などの口腔周囲筋のコントロールをご自分で気を付けて下さい。
4.あご・歯・筋肉に余分な負担をかけないで下さい。
5.下顎はぶら下がっているものです。安静位空隙のある事を分かって下さい。
6.硬い食べ物は意識的に避けて下さい。(顎を鍛えるのは20歳くらいまでで、それ以降の硬い食べ物は加齢(老化)を早くします。)
<身体のバランスについて>
7.体のひずみの多い方は他科での治療が必要な事もあります。
8.体のバランスを整えるのは基本的には患者さまの仕事です。その上に安定した咬み合わせが成り立ちます。
<リモデリングについて>
9.リモデリングの現象をご理解ください。
<スプリント(マウスピース)>
10.本来の咬み合わせの位置を探したり、関節や筋肉を楽にするために各種スプリント(別名マウスピース)を使います。必ず当医院の使用法、及び次回来院日を守って下さい。勝手に長く使いすぎると咬み合わなくなることがあります。
11.スプリントを入れると本来の顎の位置に戻ろうとするため、顎や筋肉は楽になりますが、ずれたところで安定して咬めていた咬み合わせが、合わなくなることがあります。
12.咬み合わせの治療全てにおいて同じですが、「スプリントを入れてもくいしばらない(クレンチング)」、「スプリントを入れることによって出来たすかせてある部分に、舌や頬粘膜を挟み込まない。」などを守って下さい。
<種々の治療>
13.顎が元の位置に戻って、それから合わなくなった咬み合わせをあわせる治療に入りますが、ぶつかっている所を少し削ったり、足したり、入っている冠をやり替えたり、場合によっては歯列から整え直すために、矯正治療が必要な事もあります。
14.ずれた顎を元に戻しながら、変形した歯列を元に戻す矯正治療はとても難しい治療です。患者さまが身体のバランスに気を付けて頂いた中で成り立つことをご理解ください。
15.咬み合わせの治療は非常に繊細で、一進一退を繰り返し、お互いに根気の要る長期に渡る治療です。患者さまのご理解とご協力が必要です。
機能検査を受けられる方へ
歯科の病気は「細菌感染由来」と「力の負担によるもの」の大きく二つに分けられます。細菌感染由来の疾病は主に以下の2つです。
1.むし歯(別名 齲歯・カリエス)
原因菌ーむし歯菌
2.歯周病(別名 歯槽膿漏・歯周炎)
原因菌ー歯周病菌
この2つは今まで歯科医療分野において2大疾患と言われてきました。しかし、上記の細菌感染由来の病気をブラッシングして歯のあか(プラーク)を取り除いたただけで口腔が長く健康に保たれるわけではありません。歯は毎日毎日使っているものです。従って、包丁やハサミのようにすり減って、そのうち切れにくくなります。切れにくくなると力を入れて噛むので、歯や歯ぐき、顎関節などを痛めます。今の若い方は固い食べ物を食べる量が減って顎が弱く、顎関節症も増えています。また、頬杖やうつ伏せ寝などの生活習慣の乱れから口腔だけでなく、顔・全身の非対称がおき、顎のねじれ、歯列不正、舌痛症、顎関節症、頭痛、肩こり、知覚過敏、過度の咬耗、歯の動揺などの症状を起こす方も多くなっています。これらの「口腔の異常な力の負担」によって起こる疾患は「顎・口腔機能障害」といい、「第3の疾患」と言われています。以上の症状がある方には「機能検査」をしますが、日本の歯科医療はまだ機能障害の治療が遅れており、全ての検査が保険治療で賄われている訳ではありません。物を咬むこと(咀嚼)は歯だけで行っている訳ではなく、全身の支えの中で、顎関節、口の周りの筋肉、舌など、いろんな部分を使って行います。そのため、歯だけを治しても良い咬み合わせは作れません。リラックスして、良く噛める咬み合わせは体の支えになります。身体全体のバランスを保つことの一つが咬み合わせの治療です。そのために、機能検査や、顎関節の検査が必要となります。正確な診断をし、的確な治療を行うためには検査が必要です。ご理解いただきたいと考えています。保険治療の範囲をご希望の方は、その中でできるだけの治療はしていますので、ご了承下さい。