新型感染症の影響により今年7月に札幌で予定されていた日本包括歯科臨床学会の開催が来年に延期になりました。
私はこの大会の実行委員長として準備に携わってまいりましたがとても残念です。旭山動物園の園長 板東元 先生にも講演をお願いしており関係者の方々には大変ご迷惑をおかけしてしまい恐縮であります。
この学会は九州の筒井昌秀先生、照子先生にて主催されていた咬合療法研究会とJACDというスタディグループが合わさってできたものです。私が16年前に九州の筒井先生の病院に勤務したことをきっかけに携わってまいりました。それまで噛み合わせについては上下の歯の噛み合わせを主体に診ていましたが、先生から教えていただいた全身の中の噛み合わせという考えに元ずいて治療を進めていくことが歯科医師として大事であり基本であり、逆にこれを診ずに大きな噛み合わせの治療はすべきではないと考えています。
具体的には噛み合わせのずれがあるかを顎関節の検査によって確認し、必要あれば歯の治療の前に顎関節の治療を優先して進めていきます。
この基本を守らずに歯の治療のみした場合はのちに不具合が出てくる可能性が高くなります。
まとめますと、歯科の治療は虫歯や歯周病が主ですがこれらの治療を歯のみ見ていては治らないまたは、のちに問題が出てくる可能性が高くなることがあるので、まずは顎の状態を確認してから歯の治療に入るべきということで、そのためには歯医者もその知識と技術が必要ですし、このことを患者さんに伝える義務があると考えています。